用 語 |
説 明 |
神経変性/ 神経変性疾患 |
中枢神経系の特定の神経細胞群が徐々に死んでいく(神経変性)ことによって起こる、不可逆進行性かつ難治性の神経疾患である。代表的な疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄小脳変性症、などがあり、近年の高齢化に伴い、患者数が増加している。 |
ミクログリア |
中枢神経系におけるマクロファージ様の免疫担当細胞で、他の神経系細胞と異なり、起源は骨髄系由来と考えられている。正常では不活性状態で存在するが、感染、炎症、虚血、神経変性などが生じると即座に活性化され、活発に動き回り(遊走)、死細胞を貪食し、様々な生理活性物質(サイトカイン、ケモカイン、興奮性アミノ酸、一酸化窒素、活性酸素など)を分泌し、基本的には組織防衛に働く。一方、過剰な活性化は組織障害をもたらすと考えられており、神経変性の発現にも深くかかわっていると考えられている。 |
グルタミン酸 |
神経伝達物質のひとつ。興奮性アミノ酸の代表格で、過剰投与により興奮性神経細胞死を誘導する。生理的にはα-ケトグルタミン酸からトランスアミナーゼの作用により産生され、分泌顆粒およびグルタミン酸トランスポーターから分泌される。 |
ギャップ結合 |
隣り合う細胞をつなぎ、水溶性の小さいイオンや分子を通過させる細胞間結合のこと。 |
リード化合物 |
既知化合物のデータベース、またはその目的にそって合成された新規化合物群の中から選ばれた化合物をリード化合物と呼ぶ。リード化合物はその後、効果や安全性をより高めるための最適化作業、前臨床試験、臨床試験を経て医薬品として開発される。 |
脳移行性 |
神経系は有毒物質の侵入を防ぐために高分子を通過させない血液脳関門、血液神経関門により保護されている。神経系の細胞に作用するためには、この関門を通過するような低分子のものや、ある種の脂溶性物質と結合させることにより、関門を通りやすくする必要がある。 |